High dimension

statement
アメリカの心理学者アブラハム・マズローによって提唱されたマズローの欲求段階説によると、人間の持つ内面的欲求は5段階の階層に分かれており、低次の欲求が満たされると順々により高次の欲求を求めるようになる。仮説であるが人間のモチベーション理論の一つとされている。
その最高次の段階に、潜在的な自分の可能性の探求や自己啓発、創造性へのチャレンジなどの自己実現の欲求が位置している。人間は生存の欲求が満たされ、内的欲求をより外的に求めるようになるのだが、人間の飽くなき欲求が故に歴史上繰り返されて来た事がある。その欲求が、冒険者から開拓者、そこから侵略者となり最終的にはジェノサイドへと向かってしまう。
困難はつきまとうが冒険、開拓は希望に満ちあふれて明るいものだろう、次の侵略へと向かってしまう前に我々はこの流れを止めるにはどうあるべきかを気付かなければならない。

ここ小布施ではまだ目に見える形でこの流れを感じる事は出来ないが、目に見えない形で現象として実はあるのではないだろうか。この開拓から侵略への流れは着々と進行していて、実際は非常に危機的状況にあるのではないか?自分達には見えないという事、それはただこの三次元空間に存在していないだけであって、認知外の高次元空間に存在している可能生がないわけではない。
今回の展示ではその仮説(高次の冒険者はすぐそこにいる)の具現化を試みた。
認知できない高次元の情報を、認知できる三次元空間に落とし込んだ形状であり、その構造は最もシンプルに網目状の立方体で表現されている。しかし未知なるものに対しては想像の域をでないので、そこには常にサプライズがつきまとう。

2014 11.11~11.19 おぶせミュージアム・中島千波館・木造館

High dimension
80x80mm キャンパス、アクリル絵具、油性ペン、発砲スチロール

contact-1
600x600mm ed.20 etching、aquatint  ¥20000
contact-2
600x600mm ed.20 etching、aquatint  ¥20000

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803x803mm キャンパス、油絵具  ¥100000